月給35万円の手取りはいくら?求人データで見る位置づけ
額面月給35万円の手取り月額は、独身・扶養なし・賞与なしの前提で約27.7万円が目安になります。当社取扱いの募集中求人(集計時点2026/09/14)では、想定年収の下限が420万円以上の求人は5,210件、全体に占める割合は41.4%でした。この記事では手取りの内訳の考え方、月給30万円・40万円との差、職種や地域による位置づけの違い、求人票で確認したい点を整理します。
月給35万円の手取りはおよそいくらか
額面の月給と、実際に口座に振り込まれる金額は一致しません。額面月給35万円の場合、独身・扶養なし・東京都在住・賞与なしという前提で計算すると、手取り月額は約27.7万円が目安になります。差額は、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料といった社会保険料と、所得税・住民税の合計です。
年額で見ると、月給35万円を年収換算した420万円に対して、手取り年額の概算は約332万円です。求人票に書かれた想定年収と、生活設計に使える金額の間にはこれだけの開きがあるため、家賃や固定費を考えるときは額面ではなく手取りベースで見ておくと、入社後のずれが小さくなります。
なお、この金額はあくまで概算です。住民税は前年の所得をもとに計算されるため、転職した年とその翌年度以降では天引き額が変わります。扶養家族がいる場合、介護保険料の対象となる年齢に達している場合、企業独自の財形貯蓄や組合費の控除がある場合も、実際の手取りは前後します。
手取りの内訳をどう考えるか
控除は大きく分けて二つあります。一つは社会保険料で、健康保険・厚生年金・雇用保険が該当します。これらは原則として額面の総支給額(正確には標準報酬月額)に応じて決まるため、月給が上がれば控除額も比例して増えます。もう一つは税金で、所得税と住民税です。所得税は累進的な仕組みのため、額面が上がるほど手取りに残る割合は緩やかに下がっていきます。
ここで押さえておきたいのは、額面が増えた分がそのまま手取りに反映されるわけではないという点です。求人の提示額を比べるとき、額面の差だけを見て判断すると、実際の生活で感じる差とは印象が変わることがあります。次の表は、月給30万円・35万円・40万円という三つの水準で、額面と手取りの概算がどう変わるかを並べたものです。
| 額面月給 | 手取り月額(概算) | 年収(賞与なし) | 手取り年額(概算) |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 約16.2万円 | 240万円 | 約195万円 |
| 22万円 | 約17.7万円 | 264万円 | 約213万円 |
| 24万円 | 約19.3万円 | 288万円 | 約231万円 |
| 25万円 | 約20.1万円 | 300万円 | 約241万円 |
| 26万円 | 約20.8万円 | 312万円 | 約250万円 |
| 28万円 | 約22.4万円 | 336万円 | 約268万円 |
| 30万円 | 約23.9万円 | 360万円 | 約287万円 |
| 32万円 | 約25.4万円 | 384万円 | 約305万円 |
| 35万円 | 約27.7万円 | 420万円 | 約332万円 |
| 40万円 | 約31.3万円 | 480万円 | 約376万円 |
手取りは概算です。独身・扶養なし・40歳未満・東京都(協会けんぽ)・賞与なしの前提で、社会保険料と所得税・住民税(令和7年度税制改正後)を機械的に計算しています。扶養家族の有無・お住まいの自治体・賞与の有無・保険料率の改定によって実際の手取りは変わります。
表を見るときは、額面の差と手取りの差を両方たどってください。月給30万円の手取り月額の概算は約23.9万円、月給35万円では約27.7万円、月給40万円では約31.3万円です。額面が同じ幅だけ増えても、手取りの増え方はそれより小さくなることが読み取れます。転職の条件交渉で額面を上げたいときは、この目減りを前提に、どの水準なら生活が変わるのかを考えておくと判断しやすくなります。
月給35万円は求人市場でどのあたりか
次に、月給35万円(年収換算420万円)という水準が、実際の求人の中でどの位置にあるのかを見ていきます。当社取扱いの募集中求人(全国・全職種、集計時点2026/09/14)は12,578件で、想定年収下限の中央値は400万円、上限の中央値は600万円でした。
想定年収の下限が420万円以上の求人は5,210件、全体に占める割合は41.4%です。下限が400万円以上では7,016件・55.8%、下限が500万円以上では3,262件・25.9%となります。つまり月給35万円相当の水準は、当社取扱いの求人の中では中央より少し上に位置し、届く求人が限られるというほどではない、という読み方になります。
次の表は、想定年収の下限を金額帯に分けて、それぞれの求人件数と割合を示したものです。自分の希望水準がどの帯に入るのかを確認する目安として使えます。
| 想定年収の下限 | 求人件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 300万円未満 | 815件 | 6.5% |
| 300〜349万円 | 2,270件 | 18.0% |
| 350〜399万円 | 2,477件 | 19.7% |
| 400〜449万円 | 2,468件 | 19.6% |
| 450〜499万円 | 1,286件 | 10.2% |
| 500〜599万円 | 1,672件 | 13.3% |
| 600万円以上 | 1,590件 | 12.6% |
当社取扱いの募集中求人のうち想定年収下限の記載がある12,578件が母数。想定年収は経験・スキルに応じた幅の下端であり、必ずその額が提示されるという意味ではありません。
表では、帯ごとの件数の厚みに注目してください。特定の帯に求人が集中している場合、その周辺では少しの条件変更で選択肢が大きく増減します。逆に上位の帯に進むほど件数は細っていくため、水準を上げるほど求人の絶対数と選びやすさは下がる、という関係が見えてきます。希望を一点で決め打ちするより、許容できる範囲を帯で持っておくほうが、比較の幅は広がります。
職種によって下限の中央値は違う
同じ月給35万円でも、職種によってその位置づけは変わります。当社取扱いの募集中求人を職種グループ別に見ると、想定年収下限の中央値は、営業職が400万円、施工管理が400万円、ITエンジニアが402万円、事務・管理部門が400万円、販売・サービスが343万円、製造・技術が378万円でした。
この並びを見ると、年収換算420万円という水準は、どの職種グループでも下限の中央値を上回っています。職種によって中央値の位置が異なるため、月給35万円を目指すときの「あと少し」の距離感も職種ごとに違う、ということになります。
次の表は、職種グループごとに件数、想定年収の下限・上限の中央値、職種未経験OKの割合、年間休日120日以上の割合を並べたものです。年収だけでなく、未経験からの入りやすさや休日条件も合わせて比べられるようにしています。
| 職種 | 求人件数 | 想定年収下限の中央値 | 想定年収上限の中央値 | 未経験OKの割合 | 年間休日120日以上の割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 全体(全職種) | 12,578件 | 400万円 | 600万円 | 42.9% | 75.0% |
| 営業職 | 2,695件 | 400万円 | 600万円 | 54.7% | 75.2% |
| 施工管理 | 1,400件 | 400万円 | 700万円 | 39.1% | 64.7% |
| ITエンジニア | 1,712件 | 402万円 | 700万円 | 14.5% | 96.5% |
| 事務・管理部門 | 573件 | 400万円 | 550万円 | 45.4% | 79.4% |
| 販売・サービス | 1,119件 | 343万円 | 480万円 | 72.9% | 26.1% |
| 製造・技術 | 1,195件 | 378万円 | 540万円 | 44.8% | 68.3% |
当社取扱いの募集中求人の集計。各職種グループは職種分類を列挙して固定した範囲で、年間休日の割合は記載のある求人が母数です。
表は、年収の列だけを見るのではなく、未経験OKの割合と休日の列を横に並べて読むのが要点です。年収下限の中央値が高い職種は、その分だけ求められる経験の幅が狭いことがあります。全体では職種未経験OKの求人の割合は42.9%で、未経験OK求人に限った想定年収下限の中央値は350万円でした。経験の有無によって、同じ職種でも提示のスタート地点が変わる点は押さえておきたいところです。
地域による違いも小さくない
地域によっても、月給35万円相当の求人の出やすさは変わります。当社取扱いの募集中求人では、東京が5,996件で、そのうち想定年収の下限が420万円以上の求人の割合は52.0%でした。大阪は847件で37.9%、愛知は829件で34.5%です。件数でも割合でも、東京とそれ以外の地域では差があります。
ただし、これは当社が取り扱っている求人の分布であり、地域ごとの給与水準そのものを示すものではありません。また、額面が高くても家賃や通勤費などの生活コストが異なるため、手取りの金額だけで暮らしやすさを比べることはできません。
次の表は、求人件数の多い都道府県について、件数・全体に占める割合・想定年収下限の中央値・未経験OKの割合をまとめたものです。
| 都道府県 | 求人件数 | 全体に占める割合 | 想定年収下限の中央値 | 未経験OKの割合 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都 | 5,996件 | 47.7% | 420万円 | 36.8% |
| 大阪府 | 847件 | 6.7% | 400万円 | 43.6% |
| 愛知県 | 829件 | 6.6% | 400万円 | 47.2% |
| 神奈川県 | 541件 | 4.3% | 397万円 | 39.9% |
| 北海道 | 459件 | 3.6% | 384万円 | 51.0% |
| 埼玉県 | 300件 | 2.4% | 397万円 | 49.0% |
| 福岡県 | 294件 | 2.3% | 350万円 | 43.2% |
| 静岡県 | 266件 | 2.1% | 360万円 | 47.4% |
当社取扱いの募集中求人12,578件のうち、件数の多い上位8地域。割合は全求人に占める割合、中央値は各地域の想定年収下限の記載がある求人で計算しています。
表を読むときは、件数の多さと下限の中央値を切り分けて見てください。件数が多い地域は選択肢が多いという意味であり、必ずしも一人ひとりの提示額が高くなるという意味ではありません。勤務地を広げるかどうかを考えるときの、比較材料として使うのが現実的です。
数字の読み方で気をつけたいこと
ここまでの集計値は、当社が取り扱っている募集中求人を母数にしたものです。世の中全体の相場そのものではなく、当社の取扱い領域の偏りを含んだ実勢値として読んでください。扱う職種や企業規模の構成が違えば、中央値も割合も変わります。
もう一つ、想定年収の「下限」は、求人票に記載されたレンジの下側であって、提示額の確約ではありません。経験や選考結果によって、レンジのどのあたりで提示されるかは変わります。下限が420万円以上の求人に応募したからといって、その金額が保証されるわけではない点は分けて考える必要があります。
参考として、有価証券報告書の開示数値の集計では、平均年間給与を開示している上場企業1,775社の平均年間給与の中央値は691万円、下位側の四分位は587万円、上位側の四分位は804万円でした。ただしこれは全社員の平均であり、勤続年数の長い社員や管理職を含みます。20代・中途入社時の提示額とは水準が異なるため、この数字を自分への提示額の期待値として読むのは適切ではありません。企業の給与の全体的な高さを比べる材料として使うのが現実的です。
月給35万円の求人票で確認しておきたいこと
- 固定残業代(みなし残業代)が月給に含まれているか。含まれる場合、基本給がいくらで、何時間分に相当するのかを確認しないと、実際の基本給水準を見誤ります
- 固定残業時間を超えた分が別途支給されるか。記載がない求人票では、超過分の扱いを面談で確認しておくと後の認識違いを防げます
- 想定年収に賞与が含まれているか。賞与込みの年収提示か、月給のみの提示かで、毎月の手取りは大きく変わります
- 賞与の支給実績と算定基準。業績連動の場合、提示された想定年収の上側が実現する条件を聞いておくと見通しが立ちます
- 各種手当の内訳。住宅手当・通勤手当・役職手当が月給に含まれているかで、控除の計算対象となる金額が変わります
- 想定年収のレンジのどのあたりが自分に当てはまるか。下限と上限の幅が広い求人ほど、実際の提示額を確認する必要があります
- 昇給の仕組みと過去の実績。入社時の額面だけでなく、その後どう変わるのかを合わせて見ておくと判断材料が増えます
よくある質問
月給35万円は20代にとって高い水準ですか
当社取扱いの募集中求人(集計時点2026/09/14)では、想定年収の下限が年収換算420万円以上の求人は全体の41.4%でした。中央より上ではありますが、届かない水準ではないという位置づけです。ただし職種や地域、経験の有無によって出やすさは変わるため、自分の条件に近い範囲で見直すことをおすすめします。
手取りが思ったより少ないのはなぜですか
額面から社会保険料と税金が控除されるためです。額面月給35万円に対する手取り月額の概算は約27.7万円で、差は控除分にあたります。特に転職した年は住民税の天引き方法が変わることがあり、翌年度から負担感が変わる場合もあります。
固定残業代が含まれていると何が変わりますか
月給35万円のうち一部が固定残業代である場合、残業がない月でも金額は変わりませんが、基本給をもとに計算される賞与や退職金の水準に影響することがあります。基本給がいくらかを確認したうえで、同じ額面の他の求人と比べると実態が見えやすくなります。
未経験からでも月給35万円を目指せますか
当社取扱いの募集中求人のうち職種未経験OKの求人は42.9%を占め、その想定年収下限の中央値は350万円でした。未経験可の求人は全体の中央値より下限が低めに出る傾向があるため、入社時点で年収換算420万円に届く求人は限られます。入社後の昇給の仕組みまで含めて見通しを立てるほうが現実的です。
第二新卒視点でのポイント
月給35万円という提示を受けたとき、まず手取りの概算である約27.7万円を基準に、家賃や固定費が無理のない範囲に収まるかを確認しておくと、入社後の生活イメージがずれにくくなります。次に、その35万円の内訳、つまり固定残業代が含まれているか、賞与が別にあるかを求人票と面談で確かめておくと、同じ額面の求人同士を正しく比べられます。
市場での位置づけを知るという意味では、当社取扱いの募集中求人で下限が420万円以上の求人が41.4%、下限が500万円以上が25.9%という分布を頭に入れておくと、提示額が自分の希望とどれだけ離れているかを冷静に測れます。職種グループ別の下限の中央値や、東京52.0%・大阪37.9%・愛知34.5%という地域差も、勤務地や職種の選択肢を広げるかどうかを考える材料になります。
20代の転職では、入社時の額面だけでなく、その後どう積み上がるかを見ておくことが結果的に効いてきます。昇給の仕組み、評価の基準、賞与の算定方法を確認しておくと、目先の金額に左右されずに選びやすくなります。
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