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給与・年収データ時点 2026/09/01

賞与なしの年収は損か 求人データで手取りを検証

賞与なしの求人は、月々の額面給与を年間で積み上げた額がそのまま年収になるため、賞与ありの求人と比べるときは年収ベースに揃えるのが基本です。当社取扱いの募集中求人と、有価証券報告書で平均年間給与を開示している上場企業の集計値をもとに、賞与の有無で何が変わり、何が変わらないのかを整理しました。手取りの目安、求人の想定年収の分布、求人票で確認したい項目までまとめて確認できます。

賞与なしは「損」なのかという疑問への答え

求人票に「賞与なし」と書かれていると、それだけで条件が悪いのではないかと感じる人は少なくありません。ただ、賞与の有無は給与の渡し方の違いであり、それ自体が年収の高低を決めるものではありません。判断の軸になるのは、年単位で受け取る総額、つまり年収がいくらになるかという一点です。

賞与なしの給与体系では、月々の額面給与を年間で積み上げた額がそのまま年収になります。裏を返せば、月給の水準がそのまま年収の水準を決めるということです。月給25万円であれば手取りの月額は約20.1万円ほど、月給30万円であれば約23.9万円ほど、月給35万円であれば約27.7万円ほどが目安になります(いずれも独身・扶養なし・東京都・賞与なしの前提での概算)。毎月の入金額が読みやすく、生活費の設計がしやすいという点は、賞与なしの給与体系の実務的な利点です。

一方で、賞与ありの体系は業績や評価によって支給額が動くため、上振れの可能性がある反面、想定していた年収に届かない年も起こりえます。賞与なしは上振れが期待しにくい代わりに、年収の見通しが立てやすい。どちらが有利かは、提示された年収額と、賞与の実績がどれだけ安定しているかを見てから判断する話になります。

年俸制・賞与込み表記との違い

混同しやすいのが、賞与なし・年俸制・賞与込み表記という似た言葉です。賞与なしは、月々の給与のほかに一時金の支給がない体系を指します。年俸制は、年間の支給総額をあらかじめ決めておき、それを分割して毎月支払う仕組みです。年俸制のなかには、年間総額の一部を賞与という名目で夏と冬にまとめて支払う設計もあり、この場合は名称としての賞与はあっても、業績で増える性質の一時金ではありません。

もう一つ注意したいのが、求人票の想定年収が賞与込みで書かれている場合です。想定年収に賞与見込みが含まれていると、月給の額面から想像する年収よりも表示額が大きく見えます。逆に、賞与なしの求人は月給から素直に積み上げた額が表示されるため、同じ生活水準でも表示額が控えめに見えることがあります。つまり、賞与の有無による見え方の差は、実額の差というより表記の差である場合が少なくありません。

賞与なしと年俸制と賞与込み表記は、それぞれ意味が異なります。求人票を読むときは「表示されている年収に一時金が含まれているか」「含まれているならそれは業績で変動するのか」を分けて確認しておくと、比較の土台が揃います。

額面が同じなら、手取り総額は大きく変わらない

所得税と社会保険料は、賞与に対しても月給に対しても課されます。賞与の保険料の計算方法や税額の精算のタイミングには違いがありますが、年単位で見た手取りの総額は、額面年収が同じであれば賞与の有無で大きく変わるものではありません。したがって「賞与がないから税金や保険料の面で損をする」という理解は、実態とはずれています。

次の表は、賞与なしを前提にした額面年収ごとの手取りの目安をまとめたものです。独身・扶養なしで東京都在住という前提の概算値で、月額と年額の両方を並べています。

額面月給と手取りの早見表(概算)
額面月給手取り月額(概算)年収(賞与なし)手取り年額(概算)
20万円16.2万円240万円195万円
22万円17.7万円264万円213万円
24万円19.3万円288万円231万円
25万円20.1万円300万円241万円
26万円20.8万円312万円250万円
28万円22.4万円336万円268万円
30万円23.9万円360万円287万円
32万円25.4万円384万円305万円
35万円27.7万円420万円332万円
40万円31.3万円480万円376万円

手取りは概算です。独身・扶養なし・40歳未満・東京都(協会けんぽ)・賞与なしの前提で、社会保険料と所得税・住民税(令和7年度税制改正後)を機械的に計算しています。扶養家族の有無・お住まいの自治体・賞与の有無・保険料率の改定によって実際の手取りは変わります。

表を見るときは、まず自分に提示されている額面年収の行を探し、そこから手取り年額の欄を確認してください。参考として、年収300万円であれば手取り年額は約241万円ほど、年収360万円なら約287万円ほど、年収400万円なら約317万円ほど、年収450万円なら約355万円ほど、年収500万円なら約391万円ほどという水準です。賞与ありの求人を検討している場合も、賞与見込みを含めた額面年収でこの表の行を探せば、おおまかな手取り水準の比較ができます。なお実際の手取りは、扶養の状況、住んでいる自治体、加入している健康保険の種類、住民税の納付タイミングなどで前後します。

比較するときの計算の揃え方

賞与なしの求人と賞与ありの求人を並べて考えるときは、次の手順で単位を揃えると迷いません。

  • 賞与なしの求人は、月々の額面給与を年間で積み上げて年収に換算する
  • 賞与ありの求人は、月給の年間分に賞与の実績額を足して年収に換算する(求人票の想定年収が賞与込みなら、その額をそのまま使う)
  • 固定残業代が月給に含まれている場合は、含まれている分を把握したうえで比較する
  • 交通費や住宅手当など、課税されるかどうかが異なる支給項目は分けて考える

この換算をしたうえで、額面年収同士を比べます。手取りで比べたい場合は、換算後の年収を上の早見表に当てはめれば十分です。賞与ありの求人については、賞与が業績連動なのか固定なのか、直近の支給実績がどうだったのかを確認しないと、年収の見込みそのものが揺らぎます。逆に賞与なしの求人は、この揺らぎがない代わりに、昇給の仕組みが年収の伸びを左右します。

想定年収の下限で見る募集中求人の分布

実際の求人が、どのくらいの年収水準で募集されているのかも押さえておきたいところです。当社取扱いの募集中求人は2026/09/01時点の集計で12,378件、このうち想定年収の下限の中央値は400万円、上限の中央値は600万円でした。想定年収の下限が360万円以上の求人は8,276件で全体の66.9%、400万円以上の求人は6,937件で56.0%を占めます。

次の表は、その募集中求人を想定年収の下限の金額帯で区切り、件数と割合を並べたものです。求人票に想定年収の下限の記載があるものを対象にしています。

想定年収の下限で見た募集中求人の分布
想定年収の下限求人件数割合
300万円未満783件6.3%
300〜349万円2,203件17.8%
350〜399万円2,455件19.8%
400〜449万円2,442件19.7%
450〜499万円1,296件10.5%
500〜599万円1,628件13.2%
600万円以上1,571件12.7%

当社取扱いの募集中求人のうち想定年収下限の記載がある12,378件が母数。想定年収は経験・スキルに応じた幅の下端であり、必ずその額が提示されるという意味ではありません。

表の読み方としては、自分が検討している求人の想定年収の下限が、どの帯に位置しているかを確認するのが最初の一歩です。賞与なしの求人の場合、この下限の金額は月々の額面給与を積み上げた額に近い数字になりやすく、賞与込み表記の求人と同じ帯に並んでいても中身の設計が違うことがあります。なお職種未経験可の求人は募集中求人の42.8%を占め、その想定年収の下限の中央値は350万円でした。未経験から挑戦する場合は、全体の分布より控えめな帯から出発することが多いという前提で見ておくと、提示額の解釈がぶれません。

上場企業の平均年間給与はどのくらいか

企業側の給与水準を別の角度から見る材料として、有価証券報告書の開示数値があります。当社データベースで平均年間給与を開示している上場企業は1,772社あり、その中央値は690万円、下位側の四分位は587万円、上位側の四分位は803万円でした。

次の表は、この開示企業を平均年間給与の金額帯で区切り、社数と割合を示したものです。企業を選ぶ際の水準感をつかむ材料として見てください。

上場企業の平均年間給与の分布(有価証券報告書)
平均年間給与社数割合
400万円未満15社0.8%
400〜499万円131社7.4%
500〜599万円351社19.8%
600〜699万円448社25.3%
700〜799万円380社21.4%
800〜999万円332社18.7%
1,000万円以上115社6.5%

有価証券報告書で平均年間給与を開示している上場企業1,772社(各社の最新期)が母数。全社員の平均であり、勤続年数の長い社員を含むため、20代・中途入社時の提示額とは水準が異なります。

この表を求人票の提示額と直接比べるのは適切ではありません。開示されている平均年間給与は全社員の平均であり、勤続年数の長い社員や管理職を含みます。賞与を支給している企業であれば賞与も含んだ数字です。20代・中途入社時の提示額とは水準が異なるため、あくまで「その会社が長く働いた社員に対してどのくらいの給与を出しているか」を推し量る参考として使うのが現実的です。賞与なしの求人を検討している場合は、この平均給与と提示額の差が、そのまま将来の伸びしろを示すわけではないという点にも注意が必要です。

データの読み方の注意

ここまでの集計値には、それぞれ言えることと言えないことがあります。当社取扱いの募集中求人の分布は、当社が扱っている求人の実勢を示すものであり、世の中の求人全体の相場をそのまま表すものではありません。取扱う職種や地域、企業規模の構成に偏りがあれば、分布も動きます。

想定年収の下限は、あくまで採用側が提示しうる幅の下側の値です。経験や選考の結果によって上限側で提示されることもあり、下限が低い求人が必ずしも低い提示になるとは限りません。逆に、下限が高めに設定されていても、固定残業代が含まれていれば、時間あたりの水準は見た目より控えめになることがあります。

手取りの早見表も概算です。前提を独身・扶養なし・東京都・賞与なしに固定しているため、扶養家族がいる場合や自治体が異なる場合は数字が動きます。賞与ありの会社に入る場合も、額面年収が同じであれば手取り総額の水準は近くなりますが、月ごとの入金の波は変わります。数字は判断の出発点として使い、最終的には内定時の労働条件通知書で確認するのが確実です。

求人票で確認しておきたいこと

  • 想定年収に賞与見込みが含まれているか。含まれていれば、月給の額面から想像する年収とずれるため、比較の前に切り分けておきます
  • 賞与ありの場合、直近の支給実績と、業績連動か固定かの区別。実績が示されない賞与は年収の見込みに入れにくいためです
  • 月給に固定残業代が含まれているか、含まれる場合はその金額と対象時間。同じ月給でも働く時間あたりの水準が変わります
  • 昇給の仕組みと頻度。賞与なしの体系では、年収が伸びるかどうかが昇給の設計に強く依存します
  • 評価制度の中身と、評価がどの給与項目に反映されるか。基本給に反映されるのか手当に反映されるのかで、後年の積み上がり方が変わります
  • 退職金や企業年金、住宅手当などの制度の有無。額面年収に現れない部分で待遇差が生じることがあります
  • 年間休日の記載。当社取扱いの募集中求人では、年間休日の記載があるもののうち年間休日120日以上の求人が75.3%を占めており、記載の有無自体も確認材料になります

よくある質問

賞与なしの求人は避けたほうがよいのでしょうか

賞与の有無だけで判断する必要はありません。賞与なしでも、月々の額面給与を積み上げた年収が希望水準に届いていれば、生活の設計はしやすくなります。むしろ賞与ありの求人で、賞与の実績が示されていない場合のほうが、年収の見込みが立てにくいことがあります。

賞与なしだと、同じ年収でも手取りが減りますか

額面年収が同じであれば、年単位で見た手取りの総額が賞与の有無で大きく変わるということはありません。年収400万円であれば手取り年額は約317万円ほどという水準で、これは賞与なしを前提にした概算です。ただし月ごとの入金額の波は変わるため、まとまった支出の計画は立て方が変わります。

年俸制は賞与なしと同じ意味ですか

同じではありません。年俸制は年間の支給総額を先に決めて分割支給する仕組みで、その一部を賞与という名目で支払う設計もあります。名目上の賞与があっても業績で増減しない場合があるため、求人票の記載だけで判断せず、支給の内訳を確認しておくと安心です。

賞与なしの会社では昇給も期待できないのでしょうか

賞与の有無と昇給の有無は別の制度です。賞与を設けず、その分を月給や昇給に回している設計の企業もあります。昇給の頻度、昇給幅の目安、評価がどの項目に反映されるかを面接で確認しておくと、入社後の年収の伸び方を見通しやすくなります。

第二新卒視点でのポイント

第二新卒で転職先を比べるときにまずやっておきたいのは、手元にある求人票をすべて額面年収に換算し直すことです。賞与なしの求人は月々の額面給与を年間で積み上げ、賞与ありの求人は賞与の実績を足す。この作業を済ませてから上の早見表に当てはめれば、手取り水準まで同じ目線で比べられます。

次に、換算後の年収が当社取扱いの募集中求人の分布のどのあたりに位置するかを確認しておくと、提示額の受け取り方が落ち着きます。2026/09/01時点の集計では想定年収の下限の中央値は400万円で、職種未経験可の求人では350万円でした。未経験の職種に挑戦するのか、経験を活かすのかで、出発点の水準は変わるという前提を持っておくと判断がぶれません。

最後に、賞与なしの求人を検討する場合は、昇給の仕組みと固定残業代の扱いを面接の場で確認しておくことをおすすめします。賞与という変動要素がない分、年収の伸びは昇給の設計にかかっており、そこを聞けているかどうかで入社後の見通しの精度が変わります。内定が出たら、労働条件通知書の記載と面接での説明が一致しているかを照らし合わせておくと、入社後の認識のずれを避けやすくなります。

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データ出典: 当社取扱求人12,378件の集計(2026/09/01時点)・有価証券報告書開示データ

本記事は自社データベースの集計値をもとにZangle Career Connect 編集部が作成しました。統計値は集計処理から機械的に転記しており、求人データの更新にあわせて数値も更新されます。 誤りにお気づきの場合はこちらからご連絡ください。