年収350万円の手取りはいくら?求人データで見る位置
年収350万円(賞与なし・独身・扶養なしの前提)の手取り年額は約279万円ほどで、月あたりに直すと生活の見通しが立てやすい水準が見えてきます。当社取扱いの募集中求人12,578件を2026/09/14時点で集計すると、想定年収の下限が350万円以上の求人は75.5%を占め、下限の中央値は400万円でした。この記事では手取りの概算、年収300万円・400万円との差、地域別や未経験可求人での位置づけ、上場企業の開示データとの比べ方までを順に確認します。
結論:手取りは年額で約279万円、求人全体では下限側の水準
年収350万円という金額を見たとき、まず知りたいのは「実際に使えるお金はいくらか」でしょう。賞与なし・独身・扶養なし・東京都在住という前提で概算すると、手取り年額は約279万円となります。額面から社会保険料と税金が引かれるため、額面と手取りの差は無視できない大きさになります。
もう一つ知りたいのは「この金額は転職市場でどのあたりか」という点です。当社取扱いの募集中求人を2026/09/14時点で集計すると、全国・全職種の件数は12,578件、想定年収の下限の中央値は400万円でした。つまり年収350万円は、当社が扱う求人の想定年収下限の中央よりは下側に位置します。一方で、職種未経験OKの求人に絞ると想定年収下限の中央値は350万円であり、未経験からの職種転換を含めて考えると、ちょうど中央にあたる金額です。同じ350万円という数字でも、どの母数と比べるかで見え方が変わります。
手取り早見表で年収300万円・400万円との差を見る
手取りは年収に比例して増えるわけではありません。社会保険料はおおむね収入に応じて増え、所得税は累進的に計算されるため、額面が上がるほど増えた分に対する控除の比率も変わっていきます。次の表は、賞与なしの年収額ごとに、社会保険料・税金を差し引いた手取りの年額と月額の概算を並べたものです。額面の数字だけで生活設計を考えると誤差が出やすいため、手取りに置き換えて眺めておくと判断しやすくなります。
| 額面月給 | 手取り月額(概算) | 年収(賞与なし) | 手取り年額(概算) |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 約16.2万円 | 240万円 | 約195万円 |
| 22万円 | 約17.7万円 | 264万円 | 約213万円 |
| 24万円 | 約19.3万円 | 288万円 | 約231万円 |
| 25万円 | 約20.1万円 | 300万円 | 約241万円 |
| 26万円 | 約20.8万円 | 312万円 | 約250万円 |
| 28万円 | 約22.4万円 | 336万円 | 約268万円 |
| 30万円 | 約23.9万円 | 360万円 | 約287万円 |
| 32万円 | 約25.4万円 | 384万円 | 約305万円 |
| 35万円 | 約27.7万円 | 420万円 | 約332万円 |
| 40万円 | 約31.3万円 | 480万円 | 約376万円 |
手取りは概算です。独身・扶養なし・40歳未満・東京都(協会けんぽ)・賞与なしの前提で、社会保険料と所得税・住民税(令和7年度税制改正後)を機械的に計算しています。扶養家族の有無・お住まいの自治体・賞与の有無・保険料率の改定によって実際の手取りは変わります。
表を見るときは、まず自分の現在の年収と、提示された(あるいは目標とする)年収の行を二つ見比べてください。年収300万円の手取り年額は約241万円、350万円では約279万円、400万円では約317万円という概算になります。額面の差がそのまま手取りの差にはならず、手取りの増え幅は額面の増え幅より小さくなることが読み取れます。月額の列は、家賃や固定費と直接比べられるため、生活の見通しを立てるうえで実用的です。なお額面月給29万円(賞与なしの前提)の手取り月額は約23.1万円ほどで、月給表記の求人を見たときの換算の目安になります。
この早見表はあくまで概算です。住んでいる自治体、加入している社会保険の種別、扶養親族の有無、住宅ローン控除などの各種控除、賞与の有無と配分によって実際の手取りは動きます。求人票の想定年収に賞与が含まれているかどうかで、月々の手取り感はかなり変わるため、そこは個別に確認が必要です。
想定年収の下限が350万円以上の求人はどれくらいあるか
求人票の想定年収は「◯◯万円〜◯◯万円」と幅で書かれることが多く、第二新卒や経験の浅い応募者の場合、実際の提示額は下限側に寄りやすい傾向があります。そのため、下限がいくらに設定されているかは実務的に重要な情報です。
2026/09/14時点の集計では、想定年収の下限が350万円以上の求人は9,493件、全体に占める割合は75.5%でした。下限が300万円以上では11,763件・93.5%、下限が400万円以上では7,016件・55.8%となっています。下限350万円を境にすると大半の求人が該当しますが、400万円を境にすると過半にとどまります。年収350万円は、当社取扱いの求人の下限分布のなかでは「多くの求人が満たしている水準」であり、逆に言えばそこから上を目指す余地も残っている位置だと読めます。
次の表は、想定年収の下限を金額帯に分けて、それぞれに何件の求人が入っているかを示したものです。分布の形を見ることで、自分の希望額がどの帯に入るのか、その帯の前後にどれだけの選択肢があるのかがつかめます。
| 想定年収の下限 | 求人件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 300万円未満 | 815件 | 6.5% |
| 300〜349万円 | 2,270件 | 18.0% |
| 350〜399万円 | 2,477件 | 19.7% |
| 400〜449万円 | 2,468件 | 19.6% |
| 450〜499万円 | 1,286件 | 10.2% |
| 500〜599万円 | 1,672件 | 13.3% |
| 600万円以上 | 1,590件 | 12.6% |
当社取扱いの募集中求人のうち想定年収下限の記載がある12,578件が母数。想定年収は経験・スキルに応じた幅の下端であり、必ずその額が提示されるという意味ではありません。
表の読み方としては、自分の希望額が属する帯の件数だけでなく、その一つ上・一つ下の帯の件数も一緒に見ることをおすすめします。希望額をわずかに下げると選択肢が大きく増える帯、逆にわずかに上げても件数があまり減らない帯があり、どこに境目があるかは分布の形によって違います。想定年収の上限の中央値は600万円であり、下限の中央値400万円との間には幅があります。入社時の提示が下限側だったとしても、上限までのレンジが何を意味するのか(評価による昇給か、役職の変化か、インセンティブか)は求人ごとに確認しておきたい点です。
地域によって下限の水準は変わる
同じ職種・同じ経験でも、勤務地によって想定年収の水準は変わります。2026/09/14時点の集計では、東京の求人件数は5,996件で、想定年収下限の中央値は420万円、下限が350万円以上の求人の割合は82.3%でした。大阪は847件・400万円・76.3%、愛知は829件・400万円・79.4%という結果です。件数では東京が大きく、下限の中央値も他の二地域より高めに出ています。
ただしこれは「東京のほうが得」という単純な話ではありません。家賃をはじめとする生活費の水準が地域によって異なるため、手取り額の差がそのまま生活の余裕の差になるとは限りません。また、当社が扱う求人の構成(業種や職種の偏り)も地域ごとに異なるため、中央値の差には求人の中身の違いが含まれています。
次の表は、求人件数の多い地域について、件数・全体に占める割合・想定年収下限の中央値・職種未経験OK求人の割合を並べたものです。金額の水準と、未経験から入りやすいかどうかを同時に見られる構成にしています。
| 都道府県 | 求人件数 | 全体に占める割合 | 想定年収下限の中央値 | 未経験OKの割合 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都 | 5,996件 | 47.7% | 420万円 | 36.8% |
| 大阪府 | 847件 | 6.7% | 400万円 | 43.6% |
| 愛知県 | 829件 | 6.6% | 400万円 | 47.2% |
| 神奈川県 | 541件 | 4.3% | 397万円 | 39.9% |
| 北海道 | 459件 | 3.6% | 384万円 | 51.0% |
| 埼玉県 | 300件 | 2.4% | 397万円 | 49.0% |
| 福岡県 | 294件 | 2.3% | 350万円 | 43.2% |
| 静岡県 | 266件 | 2.1% | 360万円 | 47.4% |
当社取扱いの募集中求人12,578件のうち、件数の多い上位8地域。割合は全求人に占める割合、中央値は各地域の想定年収下限の記載がある求人で計算しています。
表を見るときは、下限の中央値の列と未経験OKの割合の列をセットで確認してください。金額水準が高い地域でも未経験可の割合が低ければ、経験の浅い段階で応募できる求人は限られます。逆に金額水準が中位でも未経験可の割合が高い地域では、職種転換の入口としての選択肢が広がります。全国では職種未経験OKの求人が42.9%を占め、その想定年収下限の中央値は350万円でした。未経験からの転職で年収350万円前後が提示されるのは、集計上は中央付近の水準ということになります。
上場企業の平均年間給与と比べるときの注意
年収の水準を調べていると、有価証券報告書で開示されている「平均年間給与」に行き当たることがあります。当社データベースの集計対象となる上場企業1,775社について、各社の最新期の平均年間給与を集計すると、中央値は691万円、下位側の四分位は587万円、上位側の四分位は804万円でした。
この数字を自分の年収と直接比べるのは適切ではありません。開示されている平均年間給与は、その会社の全社員の平均です。勤続年数の長い社員や管理職を含むため、20代や中途入社直後の提示額とは水準がはっきり異なります。年収350万円とこれらの中央値を並べて「低い」と結論づけるのは、比べる対象が違う比較になってしまいます。
次の表は、上場企業の平均年間給与を金額帯に分けて社数と割合を示したものです。個々の会社の水準ではなく、開示企業全体の分布の形を見るための表です。
| 平均年間給与 | 社数 | 割合 |
|---|---|---|
| 400万円未満 | 16社 | 0.9% |
| 400〜499万円 | 129社 | 7.3% |
| 500〜599万円 | 351社 | 19.8% |
| 600〜699万円 | 447社 | 25.2% |
| 700〜799万円 | 383社 | 21.6% |
| 800〜999万円 | 334社 | 18.8% |
| 1,000万円以上 | 115社 | 6.5% |
有価証券報告書で平均年間給与を開示している上場企業1,775社(各社の最新期)が母数。全社員の平均であり、勤続年数の長い社員を含むため、20代・中途入社時の提示額とは水準が異なります。
表の使い方としては、気になる企業の開示値がこの分布のどこに位置するかを確かめる、という順序が実用的です。そのうえで、同じ会社の求人票に書かれた想定年収の下限と開示平均を見比べると、入社時点の提示と社員平均のあいだにどれくらいの距離があるかがつかめます。その距離が何年かけて埋まるものなのか、どういう評価で動くのかは、面接で確認する材料になります。
数字から言えること・言えないこと
当社取扱いの求人の集計値は「当社が扱っている求人の実勢」であり、世の中の相場そのものではありません。
想定年収下限の中央値400万円や、下限350万円以上の割合75.5%は、当社が取り扱う求人という母数のなかでの数字です。業種・職種・企業規模の構成に偏りがあるため、そのまま一般的な相場として扱うことはできません。一方で、実際に応募できる求人の分布であるという点では、求職活動の判断材料として実用的な情報です。
また、想定年収は「提示されうる範囲」であって確定額ではありません。下限が350万円であっても、経験やスキルの評価によって実際の提示は変わります。手取りの概算も前提条件に依存するため、自分の状況に置き換えて考える必要があります。
求人票で確認しておきたいこと
- 想定年収に賞与が含まれるか。含まれる場合の月々の額面が下がるため、月の手取り感が変わります
- 想定年収の下限が自分の経験でも適用されるか。下限と上限の幅が何によって決まるのかを面接で確認しておくと、入社後の見通しが立てやすくなります
- みなし残業(固定残業代)が想定年収に含まれるか。含まれる場合、時間外が少ない月でも収入は変わらない一方、超過分の扱いを確認しておきます
- 昇給の仕組みと頻度。評価制度が明文化されているかどうかで、下限から上限に近づく道筋の見え方が変わります
- 勤務地と転勤の有無。地域によって想定年収の水準も生活費も異なるため、勤務地が固定かどうかは手取りの実感に影響します
- 年間休日の記載。年間休日の記載がある募集中求人のうち120日以上の割合は75.0%で、記載の有無そのものも確認材料になります
- 社会保険の加入状況と各種手当(住宅手当・通勤手当など)。手当の一部は課税・非課税の扱いが異なるため、手取りへの効き方が変わります
よくある質問
年収350万円の手取り月額はどれくらいですか
賞与なし・独身・扶養なし・東京都という前提では、手取り年額が約279万円ほどになります。これを月あたりに均して考えるのが基本ですが、賞与がある場合は月々の手取りはこれより低くなります。参考として、額面月給29万円の手取り月額の概算は約23.1万円です。
年収350万円は20代として低いのでしょうか
高い・低いを断定できる数字ではありません。当社取扱いの募集中求人では想定年収下限の中央値が400万円である一方、職種未経験OKの求人に限ると下限の中央値は350万円で、未経験からの転職では中央付近にあたります。経験年数や職種によって位置づけが変わるため、同じ条件の求人と比べることが現実的です。
上場企業の平均年間給与と自分の年収を比べてもよいですか
直接の比較は避けたほうがよい数字です。開示されている平均年間給与は全社員の平均で、勤続年数の長い社員を含むため、20代や中途入社時点の提示額とは水準が異なります。当社集計では上場企業1,775社の中央値が691万円ですが、これを20代の目標額として読むのは適切ではありません。
地方でも年収350万円以上の求人はありますか
2026/09/14時点の集計では、大阪で下限が350万円以上の求人の割合が76.3%、愛知で79.4%でした。東京の82.3%と比べると差はありますが、いずれの地域でも過半の求人が該当します。件数そのものは東京が5,996件と大きいため、選択肢の幅には地域差があります。
額面が上がれば手取りも同じだけ増えますか
同じだけは増えません。社会保険料と税金が収入に応じて増えるため、額面の増加分の一部は控除に回ります。早見表で年収300万円の約241万円と年収400万円の約317万円を見比べると、手取りの差が額面の差より小さくなることが確認できます。
第二新卒視点でのポイント
年収350万円という数字を見たら、まず手取りに換算して、家賃などの固定費と並べてみることをおすすめします。手取り年額約279万円を月あたりに置き換え、賞与の有無で月々の額面がどう変わるかを求人票で確かめておくと、入社後の生活の見通しが立てやすくなります。
そのうえで、自分の希望額を「求人の分布のどこか」として捉え直してみてください。2026/09/14時点の当社取扱求人では、下限が350万円以上の求人が75.5%、下限が400万円以上が55.8%です。希望額を少し動かしたときに選択肢がどう増減するかを分布表で確認しておくと、条件の優先順位を決めやすくなります。
未経験の職種に挑戦する場合は、職種未経験OK求人の想定年収下限の中央値が350万円であることを踏まえ、入社時の金額だけでなく上限までのレンジと昇給の仕組みを面接で聞いておくと判断材料が増えます。応募先が上場企業であれば、有価証券報告書の平均年間給与を分布表の位置とあわせて見て、入社時の提示と社員平均の距離を自分の言葉で説明できる状態にしておくと、条件交渉の場でも話が具体的になります。
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