未経験から施工管理へ、年収水準を求人集計で見る
未経験可の施工管理求人の想定年収は、下限の中央値が360万円、上限の中央値が550万円という水準でした。当社取扱いの募集中求人(集計時点2026/09/01)を職種・地域・金額帯ごとに集計し、施工管理1,360件のうち職種未経験可が531件であることも確認しています。未経験入社の入口の金額、分野による仕事の違い、求人票で見ておくべき項目までを順に整理します。
未経験から施工管理の年収を考えるときの前提
施工管理は、建設や設備の現場で工程・品質・原価・安全を管理する仕事です。資格や実務経験がない状態から採用する枠が一定量あり、20代・第二新卒の転職先として検討されやすい職種でもあります。当社取扱いの募集中求人(集計時点2026/09/01)で施工管理に分類される求人は1,360件あり、そのうち職種未経験可としているものは531件、割合にすると39.0%でした。未経験可の求人にかぎった想定年収は、下限の中央値が360万円、上限の中央値が550万円です。
はじめに押さえておきたいのは、求人票の想定年収が幅で書かれた採用側のレンジであり、内定時の提示額そのものではないという点です。未経験からの入社では下限に近い金額から始まり、現場経験の積み上がりや資格取得に応じて上側へ動いていく形が多くなります。そのため「未経験から施工管理の年収」を調べるときは、上限の大きさより、下限の水準と、そこから上がっていく道筋がどう説明されているかのほうが生活実感に近い情報になります。
未経験OKの求人はどのくらいあるか
件数の面から見ると、施工管理は未経験可の募集が薄い職種ではありません。当社取扱いの募集中求人では施工管理が1,360件、そのうち職種未経験可が531件で、割合は39.0%でした。一方、全国・全職種でみた募集中求人は12,378件で、職種未経験可の割合は42.8%です。つまり施工管理の未経験可比率は全職種の平均より低めですが、母数が大きいため、実際に応募先として選べる求人の数はまとまった規模になります。
ここで注意したいのは、未経験可と書かれていることが「入社後に一から教える体制がある」ことを保証するわけではない点です。同じ未経験可でも、社内研修や資格取得支援を整えて計画的に育てる想定の求人と、欠員補充のため現場で覚えてもらう想定の求人が混在します。集計値からは求人の量はわかりますが、教育の中身までは読み取れないため、面接や求人票の記載で個別に確かめる必要があります。
未経験OK求人の想定年収
未経験可にかぎらない施工管理全体では、想定年収の下限の中央値が400万円、上限の中央値が700万円でした。未経験可の求人(下限360万円、上限550万円)と比べると、下限も上限も経験者を含む全体のほうが高い位置にあります。この差は、施工管理が経験年数と保有資格で任せられる現場の規模が変わる仕事であることを反映していると読めます。逆に言えば、未経験の入口の金額は全体の水準よりやや下から始まるのが一般的だと考えて計画を立てるほうが現実的です。
手取りの感覚もあわせて押さえておきます。独身・扶養なし・東京都在住で賞与を含まない前提の概算では、年収360万円の手取り年額は約287万円、年収400万円なら約317万円になります。社会保険料や税の負担があるため、額面と手取りには差が出ます。求人票の想定年収が上がっても手取りの増え方は同じ幅ではないので、家賃や通勤など固定費と並べて確認しておくと、入社後の見通しが立てやすくなります。
職種グループ別に条件を比べる
施工管理の条件が転職市場のなかでどのあたりに位置するのかを見るために、当社取扱いの募集中求人を全体・営業職・施工管理の並びで比べます。次の表は、職種グループごとの求人件数、想定年収の下限と上限の中央値、職種未経験可の割合、そして年間休日120日以上の求人が占める割合を示したものです。
| 職種 | 求人件数 | 想定年収下限の中央値 | 想定年収上限の中央値 | 未経験OKの割合 | 年間休日120日以上の割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 全体(全職種) | 12,378件 | 400万円 | 600万円 | 42.8% | 75.3% |
| 営業職 | 2,640件 | 400万円 | 600万円 | 55.3% | 75.3% |
| 施工管理 | 1,360件 | 400万円 | 700万円 | 39.0% | 64.2% |
当社取扱いの募集中求人の集計。営業職・施工管理は職種分類を列挙して固定した範囲で、年間休日の割合は記載のある求人が母数です。
表を見るときは、金額の列と未経験可の列を切り離さずに読むことをおすすめします。想定年収の中央値が高い職種グループは、経験者向けの募集が多く含まれている可能性があり、未経験で応募できる求人の金額とは必ずしも一致しません。休日の列については、施工管理では年間休日の記載がある求人のうち年間休日120日以上が64.2%、記載がある求人の年間休日の中央値は120日でした。全国・全職種では同じ条件の割合が75.3%、中央値は120日です。休日日数の中央値は同じ水準でも、120日以上に届く求人の割合には差があるため、施工管理では休日の条件を求人ごとに確認する意味が大きいと言えます。
想定年収の下限はどの金額帯に集まるか
中央値だけを見ると分布の形が見えません。そこで、想定年収の下限の記載がある募集中求人を金額帯ごとに分けた分布も見ておきます。次の表は、全国・全職種を対象に、想定年収の下限がどの金額帯に何件あり、全体のどれだけを占めるかを並べたものです。
| 想定年収の下限 | 求人件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 300万円未満 | 783件 | 6.3% |
| 300〜349万円 | 2,203件 | 17.8% |
| 350〜399万円 | 2,455件 | 19.8% |
| 400〜449万円 | 2,442件 | 19.7% |
| 450〜499万円 | 1,296件 | 10.5% |
| 500〜599万円 | 1,628件 | 13.2% |
| 600万円以上 | 1,571件 | 12.7% |
当社取扱いの募集中求人のうち想定年収下限の記載がある12,378件が母数。想定年収は経験・スキルに応じた幅の下端であり、必ずその額が提示されるという意味ではありません。
この表は全職種の分布ですが、施工管理だけを取り出すと、想定年収の下限が360万円以上の求人は980件で、施工管理の募集中求人に占める割合は72.1%でした。さらに下限が400万円以上のものは862件、割合では63.4%です。未経験可にかぎった下限の中央値は360万円でしたから、施工管理の求人全体では下限がもう少し上の帯に寄っており、そのなかで未経験可の求人は下側の帯に集まりやすい、という構図が読み取れます。表で自分の希望する帯がどれくらいの厚みを持つかを確かめると、応募先の絞り方を決めやすくなります。
地域による求人数と金額の違い
施工管理は現場に紐づく仕事のため、勤務地の選択が求人数と条件の両方に影響します。次の表は、当社取扱いの募集中求人を都道府県別に集計し、件数の多い地域について、求人件数、全体に占める割合、想定年収の下限の中央値、職種未経験可の割合を並べたものです。
| 都道府県 | 求人件数 | 全体に占める割合 | 想定年収下限の中央値 | 未経験OKの割合 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都 | 5,900件 | 47.7% | 420万円 | 36.8% |
| 大阪府 | 860件 | 6.9% | 400万円 | 44.3% |
| 愛知県 | 815件 | 6.6% | 400万円 | 46.9% |
| 神奈川県 | 569件 | 4.6% | 400万円 | 38.8% |
| 北海道 | 430件 | 3.5% | 377万円 | 51.4% |
| 埼玉県 | 297件 | 2.4% | 400万円 | 48.1% |
| 福岡県 | 284件 | 2.3% | 350万円 | 44.7% |
| 静岡県 | 261件 | 2.1% | 360万円 | 47.1% |
当社取扱いの募集中求人12,378件のうち、件数の多い上位8地域。割合は全求人に占める割合、中央値は各地域の想定年収下限の記載がある求人で計算しています。
施工管理だけを見ると、東京の求人は407件で想定年収の下限の中央値は447万円、愛知は102件で450万円、大阪は74件で450万円でした。都市圏に件数が集まりやすい一方、下限の中央値には地域ごとの差があります。ただし金額の差は生活費の差と切り離せませんし、勤務地が「本社所在地」なのか「配属現場の所在地」なのかで実際の通勤や滞在の負担も変わります。表の数値は求人の分布を掴む材料として使い、最終的な比較は個別求人の勤務地記載に沿って行うのが安全です。
分野によって仕事の中身が変わる
施工管理とひとくちに言っても、扱う対象で仕事の中身は大きく変わります。建築は住宅から商業施設・オフィスまで幅があり、工程調整や協力会社との折衝が中心になります。土木は道路・上下水道・河川などの社会インフラが対象で、公共工事の比率が高く、書類作成や官公庁とのやりとりが業務に含まれます。電気や空調・衛生といった設備分野は、建物のなかの配線や配管、機器の据付を担当し、建築の工程に合わせて動きます。ほかにプラントや通信インフラ、リニューアル・改修に軸を置く募集もあります。
分野の違いは、働き方にも表れます。担当する現場が近隣に固まるのか、期間ごとに遠方へ移るのか、日中の立ち会いが中心か夜間・休日作業が発生するかは分野と案件で変わります。関連する国家資格も分野ごとに分かれており、未経験入社後にどの資格を目標にするかで学習の道筋が決まります。求人を比べるときは「施工管理かどうか」ではなく「どの分野の、どの規模の現場か」まで降りて見ると、同じ想定年収でも中身の違いが見えてきます。
集計値の読み方で気をつけたいこと
本記事の数値は、いずれも当社取扱いの募集中求人を集計時点2026/09/01で集計したものです。したがって「世の中の施工管理の平均年収」ではなく、当社が扱っている求人という母数のなかでの実勢です。取扱う業界や企業規模の偏りがそのまま反映されるため、他の集計と数値が違うことは十分にあります。
もう一点、想定年収の下限には固定残業代が含まれている場合があります。同じ下限額でも、基本給のみの提示と、みなし残業込みの提示では、時間あたりの重みが変わります。年間休日についても、記載がある求人を母数にした割合であり、記載のない求人を含めた実態とは一致しません。集計値から言えるのは求人の分布であり、入社後の実際の残業時間や休日取得の状況までは読み取れないという線引きをしておくと、数字に振り回されずに済みます。
求人票で確認しておきたい点
- 想定年収の下限の内訳。固定残業代が含まれるか、含まれる場合は何時間相当かを見ると、額面の比較が同じ条件でできます。
- 残業時間の目安と繁忙期の説明。月あたりの平均だけでなく、工期末や竣工前の山がどう扱われるかを聞くと、生活設計が立てやすくなります。
- 年間休日の日数と現場のカレンダー。週休2日の表記でも、現場稼働日との関係で振替になる場合があるため、実際の休み方まで確認しておきます。
- 資格取得支援の中身。受験費用の負担、講習の時間確保、合格後の資格手当の有無は、入社後の年収の上がり方に直結します。
- 未経験者の育成の流れ。先輩への同行期間、担当を任される時期の目安、独り立ちまでに求められる範囲が説明されるかを見ます。
- 勤務地と異動の範囲。配属現場の所在地、出張や現場常駐の可能性、転居の有無は、給与の比較よりも生活への影響が大きい項目です。
- 昇給・評価の基準。何ができると上がるのかが言葉で説明できる会社かどうかは、想定年収の上限に近づく道筋の現実味を測る材料になります。
よくある質問
未経験の場合、提示額は想定年収の下限になりますか
下限に近い金額から始まるケースが多いものの、必ず下限になるとは限りません。関連分野の学習歴や前職での折衝・工程管理の経験が評価されることもあります。未経験可の求人の下限の中央値は360万円、上限の中央値は550万円でしたので、この幅のどこに位置づく提示かを面接の段階で確認しておくと納得しやすくなります。
資格がないと応募できませんか
当社取扱いの募集中求人では、施工管理1,360件のうち職種未経験可が531件(39.0%)ありました。無資格・未経験を前提にした募集も含まれるため、資格の有無だけで応募先が閉ざされるわけではありません。ただし任せられる現場の範囲は資格と経験で変わるため、入社後に取得する前提で支援制度を見ておくと計画が立ちます。
施工管理は他の職種と比べて年収が高いのですか
当社取扱いの募集中求人では、施工管理の想定年収の下限の中央値が400万円、上限が700万円で、全国・全職種の400万円・600万円と近い水準にありました。ただしこれは経験者向けを含む数値で、未経験可にかぎると水準は下がります。職種グループ別の表と金額帯の表を合わせて見ると、位置関係を掴みやすくなります。
残業が多い仕事だと聞きますが、求人データからわかりますか
求人の集計からわかるのは条件の記載であり、実際の残業時間ではありません。参考になるのは休日の記載で、施工管理では年間休日の記載がある求人のうち年間休日120日以上が64.2%、全国・全職種では75.3%でした。差があるため、休日と残業の運用は求人ごとに個別に確認するのが現実的です。
第二新卒視点でのポイント
未経験から施工管理を検討する20代がまず決めておきたいのは、応募先の分野と勤務地の範囲です。建築・土木・設備のどれを軸にするかで、学ぶ資格も現場の回り方も変わります。地域別の表と金額帯の表を使って、通える範囲にどれだけの求人があり、想定年収の下限がどの帯に集まるかを先に見ておくと、条件のどこを譲れるかを判断しやすくなります。
次に、応募候補を並べる段階では、想定年収の上限ではなく、下限の内訳(固定残業代の有無)と、上限に近づくまでの道筋(資格取得支援・資格手当・昇給の基準)をセットでメモしておくと比較が揃います。未経験可の求人の下限の中央値が360万円、上限が550万円という幅を踏まえ、入社時の手取り(年収360万円なら概算約287万円)で生活が成り立つかを確かめておくと、入社後に条件面で戸惑いにくくなります。
最後に、面接では「未経験者が独り立ちするまでの流れ」を自分の言葉で聞いておくことをおすすめします。育成の説明が具体的な求人と、そうでない求人を分けておくことは、集計値では見えない部分を自分で埋める作業にあたります。数値で母数の傾向を掴み、個別の求人票と面接で中身を確かめる、という順番で進めると判断の材料が揃っていきます。
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